BGM
rhythm of life / papik
「オシャレな店ですね。」と言われると、有り難いことなのですが、何となく違和感 があります。何故ならうちの店(僕も含めて)、ちっともオシャレじゃないと思うからです。
「オシャレ」ってその時代の感覚を、絶妙なバランスで組み合わせたときに生まれる、極めて流動性の高いものだと思います。
その点うちの店って、僕が独りでやっている事もあって、イメージが固定しがち。ちょっとそれを打ち破りたいときになどに、たまにかけます。
僕の思う「オシャレ」なアルバムの一典型。ラテンの雰囲気が店に合ってないのか、登場回数はそう多くありません。それでも⑭の爽快感は捨てがたく、つい背伸びしてトレーに載せてしまうのでした。
Label : IRMA RECORDS
Country : Itary
Released : 2009
STRUCTURALISM / ALFA MIST
新譜も旧譜も別け隔てなく入れて行きたいと考えています。
「昔の人を褒めるのは簡単。」と言った方がいらっしゃいましたが、確かに評価の定まっていない新譜は、限られた予算の中でやっていくには、リスキーなのは事実です。
でも、同じ初めて聴くCDなのに、なぜか新譜と解るあの感覚は、大事にしたいところです。
内装の新しさは別にして、入った時に「あ、新しい感覚の店なんだな。」というのも、それに近いのかもしれません。うちの店に来られたお客さんに、「18年目です。」と答えると、「えっ。最近出来たのかと思った。」と言われるのは、新鮮さが保たれていると喜ぶべきか、貫禄不足と嘆くべきか。
Label : Inpartmaint
Country : UK
Released : 2019
RALPH TOWNER GARY PEACOCK / A CLOSER VIEW
「クラシックとかは、かけないんですか?」なんて、たまに聞かれます。
とくにジャンルを限定している訳ではないのですが、今ひとつ店の格が追いついていないような気がして、敬遠しております。(かけている他のアーティストさん達、すみません。)
でも、アコースティックな楽器のみの、シンプルで奥行きの深い、いわゆる「クラシック」的なものを時々かけたくなる事はあります。
繰り返しかけても飽きないのは、やはり「人間のみがなせる業」なのだなと思います。
写真集を集めるように買い集めてしまいそうなECM。このレーベルだけで店が出来てしまいそうで危険です。
大病でも煩ったら、一度じっくり全アルバムを聴いてみたいものです。
Label : ECM Records
Country : Germany
Released : 1998
Magnifico / Alex Cortiz
年末年始のお休みは、どこへも行かず、家でカーテンを閉め切って、映画「マトリックス」三部作を観るのがお決まりです。あちらの世界へどっぽり浸かって、主人公のネオが閉じ込められた、あの地下鉄の駅のように、僕もこちらの世界から隔離してあげます(笑。
トイレ休憩もそこそこに、ぶっ通しで一日中観続けた後、恐る恐るカーテンを開けると、また新年の営業が始まるのでした。
近年は、2日からの営業になってしまったので、なかなかそんなことも出来なくなっています。一年に一度は帰りたいあの世界。「ブレードランナー」以降の僕らは、もはや映像も音楽も、「近未来的なもの」に郷愁を覚える世代なのかもしれません。
Label : Sunswept
Country : Netherlands
Released : 2004
Everything Under the Sun / NOSTALGIA 77
なにぶん小さな店なので、大勢さんなどがご来店になると、どうしても騒々しい雰囲気になってしまう事があります。
そんな時に、少し「落ち着ける」曲を用意しておくと、何かと重宝します。
「そんなので変わるので?」なんて思われるかもしれませんが、かけているこちら側がまず落ち着く事ができるので、それだけでもだいぶ違うと思います。
⑦⑧⑨は騒々しい雰囲気をいっぺんで戻してくれる三連作。大きなボリュームでも決してうるさく感じない曲調は、静かに飲まれている方を包み込んで、騒音から守る効果も。なんて考えてるのはこちらだけ?
Label : TRU THOUGHTS
Country : UK
Released : 2007
TOM CAT / LEE MORGAN
Jazz を聞き始めた頃は、多分にもれずゴリゴリのハード・バップが好きでした。でもだんだん歳をとると、聴くのに体力がいるようになるんですよね(笑。
なんて老け込んではいられません。定期的にカンフル剤として聴く一枚。もう営業中にかけることはないと思いますが・・。
②③はハード・バップの頂点。ハード・バップがスポーツだったんだと認識させてくれます。プレーヤーはさながら五輪のファイナリスト。モーガン、マクリーン、フラーと文句なしの熱い面子。ブレーキーのドラムも決まっていて大変格好ようございます。
(最近、古今亭志ん朝さんのお気に入りだったと知って、尚更愛聴盤になりました。)
Label : Blue Note
Country : USA
Released : 1964
VISTA / MARION BROWN
Jazz を聞き始めた頃は、多分にもれずゴリゴリのハード・バップが好きでした。でもだんだん歳をとると、聴くのに体力がいるようになるんですよね(笑。特にお店を始めてからは、お酒と会話の邪魔をしない、比較的ゆったりめのを意識してかけるようになりました。そんな要望に応えてくれるアルバムです。夏の終わりの夕暮れ時なんぞにいかがでしょう。
「Impulse!」 のCD復刻版が出たときに初めて聴きました。「70年代にこんなサウンドがあったんだ。」と即購入。ヒーリングっぽさは当時どう受け止められたかは解りかねますが、今、うちの店では違和感無く鳴っております。
Label : Impulse! Record
Country : USA
Released : 1975
All These Things / KUNIYUKI TAKAHASHI
「この音楽、ジャンルは何ですか?」なんてよく聞かれます。確かに売る側も、買う側も「ジャンル」がなければ途方にくれるというのはよくわかるのですが、作っている側は「音楽です。」としか言いようが無いのではないでしょうか。
「何バーですか?」って聞かれても「BARです。」としか答えようがないのも同じです。
⑪のラスト8分24秒からのピアノの旋律は、「もう、永遠にやっててー。」と言いたくなるほど美しい。一度C Dの音飛びで、ほんとに同じところを繰り返し状態になった事があって、あの時は幸せでした。
Label : mule musiq
Country : Japan
Released : 2007
Cappuccino Grand Cafe Lounge II / V.A.
コンピレーションアルバムもよく使います。一人でお店をやっていると、お酒もつくって、料理もして、会計もして、選曲もしてとなると、なかなか大変なので、予め選曲しておいてくれるコンピアルバムはとても助かります。
内容もさすがプロの選曲。知らなかったいい曲にたくさん出会えます。ただ、もともと持っているCDとダブっているものもあるので、結局コンピアルバムを現場でまたコンピするというハメになることもしばしばです。
カセットテープ世代としては必ずやってしまう、音楽に興味ありそうな娘への「自主制作コンピアルバム」のプレゼント。一曲一曲解説付きなどをやらかした日には、ただひたすら処分してくれてることを願うのみです。
Label : Lovemonk
Country : Italy
Released : 2006